第36回日本自殺予防学会総会

上スペース

下スペース

大会事務局
東京医科大学病院メンタルヘルス科医局
事務局長 市来真彦

〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-7-1
TEL:03-3342-6111(代表)
FAX:03-5323-3825
お問合わせ事務担当:廣野成美

お問合わせはFAXでお願いいたします。

第36回日本自殺予防学会総会開催にあたって

 このたび、第36回日本自殺予防学会を、高橋伸忠 富士心身リハビリテーション研究所附属病院理事長とともに開催させていただくことになりました。一般演題の応募も86題にのぼり、本学会が故 加藤正明 元理事長(元 東京医科大学名誉教授)によって創設された経緯を知る者にとっては、実に感慨深いものがあります。今でこそ自殺問題は国を挙げての喫緊事となっていますが、1970年に自殺予防研究会として発足した当初は、精神科医でもほとんど関心を持たず、参加者も数えるほどしかいませんでした。

いうまでもなく、当時から日本は「自殺大国」でしたから、参加する専門家の少なさと精神科医の自殺に対する無関心ぶりは、日本人の「触れずにおきたい…」「仕方がない…」といった自殺感や死生観と通底するものがあるのではないかと思ってきました。また、自殺と最も関係が深いといわれているうつ病の早期発見・治療が進んでも、自殺者は減る傾向をみせません。

 そこで今大会では、大会テーマを「日本ではなぜ自殺が多いのか?―改めて背景と予防法を考える―」とし、改めて原点に立ち返って、我が国の自殺について考えてみることにしました。

 そのために、次のような4題のシンポジウムを組みました。①自殺とうつ病との関係を再考する『自殺とうつ病との関係再考』、②ちょうど、昨今大きな問題となっている学校でのいじめをはじめ、死にたいと訴える若者が増えている現状を探る『若者の“死にたい”を扱う』(これのみ市民公開)、③近年注目されている『睡眠障害と自殺』、そして、④今なお物理的にも精神的にも回復せず、自殺者も増えている、震災後の現状を踏まえた『東日本大震災を通して生きる意味を考える』です。

 また特別講演として、長年にわたり精神科医として遺族のこころのケアにもあたられてこられた、我が国を代表する精神療法家である、山中康裕 京都大学名誉教授に『自死遺族のこころを癒す』と題するご講演を、市民公開でお願いいたしました。

 私は会長講演として、『日本人と自死』と題し、精神医学的視点を交えながら、文学や映画、流行歌を通してみた日本人の自死への心の傾きをお話ししたいと思います。このほかにも、ランチョンセミナーを4題開催いたします。

 一般演題では、自殺問題の深さと広さ、自殺予防のありかたなどを示す多様なテーマが集まり、多方面から現状と自殺予防に向けた方策が伺えると思います。

 会場はJR新宿駅、地下鉄丸ノ内線からも近く、専門家のみならず、一般の方々の積極的なご参加をお待ちしております。

第36回日本自殺予防学会総会
大 会 長 飯森 眞喜雄
副大会長 高橋 伸忠